第3章 NFCタグを読み書きする

3.1 必要なもの

Raspberry Pi は、安定性の理由からB+以上がおすすめです。今回、RaspbianはDebian 8 (Jessie)ベースのものを、NFCリーダー/ライターには、 SONYのPaSoRi を使用しました。

3.2 環境構築

libnfc を使う手もありますが、工作の際にはGPIOピンをPythonでいじった方がよりやりやすいと思うので、Pythonでお手軽にいじれる nfcpy を利用します。というわけで、利用にあたって必要なものをインストールします。

libusb

Raspbian に標準で入ってました。確かに入ってそう。

PyUSB

PaSoRiはUSB接続で使用しますので、PythonからUSBポートにアクセスするために必要です。僕はpipで入れました。

sudo pip install pyusb --pre

nfcpy

ドキュメントに従って入れます。

sudo apt-get install bzr
cd ~
bzr branch lp:nfcpy trunk

これで、~/trunk下にいろいろ落ちたはずです。

どこでもnfcpyを使えるようにする

(ここらへん環境によって違いそうな気がするけど、よく考えたら Raspbian 前提にしてるから別に注釈いらないか。)

cp -R trunk/nfc /usr/local/lib/python2.7/dist-packages

sudoしなくてもUSBデバイスを見れるようにする

デフォルトだと、sudoをつけてPythonプログラムを実行しないと、USB接続のリーダーを認識してくれません。そこで、リーダー情報を登録して、sudoしなくても認識できるようにします。

dmesg | tail

すると、

[ 4225.809847] usb 1-1.3: new full-speed USB device number 4 using dwc_otg
[ 4225.914395] usb 1-1.3: New USB device found, idVendor=054c, idProduct=06c3
[ 4225.914435] usb 1-1.3: New USB device strings: Mfr=1, Product=2, SerialNumber=4
[ 4225.914453] usb 1-1.3: Product: RC-S380/P
[ 4225.914469] usb 1-1.3: Manufacturer: SONY
[ 4225.914484] usb 1-1.3: SerialNumber: *******

みたいな感じのが出てくるので、 /etc/udev/rules.d/nfcdev.rules を以下のように編集。

SUBSYSTEM=="usb", ACTION=="add", ATTRS{idVendor}=="054c", ATTRS{idProduct}=="06c3", GROUP=="sudo"

これで、sudoグループに入ってるユーザーはsudoなしで認識できるようになりました。(ここらへん、"nfc"グループを作って、ユーザーを放り込んで、nfcグループ指定にしたほうが良い気がする。)

3.3 NFCタグ内のデータの読み書き

やっと準備完了。以下のような、NFCタグ内のデータを読む簡単なPythonプログラムを作成しました。

 1: import nfc
 2: clf = nfc.ContactlessFrontend('usb')
 3: 
 4: def connected(tag):
 5:     print tag.ndef.message.pretty()
 6: 
 7: clf.connect(rdwr={'on-connect': connected})

実行して新品のNFCタグをあてると、以下のようなデータが出ます。

record 1
  type   = ''
  name   = ''
  data   = ''

買ったまま何も手を加えていないからね。というわけでデータを書き込んでみます。

 1: import nfc
 2: clf = nfc.ContactlessFrontend('usb')
 3: 
 4: def connected(tag):
 5:     record = nfc.ndef.TextRecord("Hello World!")
 6:     tag.ndef.message = nfc.ndef.Message(record)
 7:     print tag.ndef.message.pretty()
 8: 
 9: clf.connect(rdwr={'on-connect': connected})

すると…

record 1
  type   = 'urn:nfc:wkt:T'
  name   = ''
  data   = '\x02enHello World!'

無事書き込めました!一旦プログラムを終了して再度読んでみても、ちゃんとデータが書き込まれていることが確認できます。めでたしめでたし。こんな感じで、お手軽に書き込めます。上記プログラムでは nfc.ndef.TextRecord() 関数を用いましたが、nfcpyでは他にも多くのNDEFの記録関数が用意されています。詳しくは 公式ドキュメント を参照してください。